がっしり系モフモフシダ「カツモウイノデ」
「カツモウイノデ」はモフモフ系シダの一種です。シダの中には、シノブのように根茎(根っこのような機能をもった茎)に毛が生えている、不思議な種類があります。
そのモフモフ茎を思いっきり楽しめるのが「カツモウイノデ」です。
名前を漢字にすると「褐色の毛(茶色の毛)をした猪の手」になるんですが、そのなまえのとおり、猪の毛のようにちょっとカタめのモフモフに包まれています。
このモフモフがね、見てもさわってもいやされるんだよねぇ…
このもふもふから茎をたくさんはやして、枯れたものを土台にしてどんどん高くのびていくんだね!
モフモフシダの魅力はなんといっても、モフモフと毛をたくわえたワラビ…。
言葉をつくすよりも、見ていただく方がわかるはず!ということで写真をのっけますね!
ほら、もふもふをかきわけて、小さなワラビがでてきてるよ!
だんだんワラビがのびてきて、ふんわりとひろがっていくよ!
葉っぱ完成おめでとう!ばんざーいしてるみたい!
小さな葉っぱは、あっという間に大きく育つよ!
よがっだねぇ…よがったねぇ(感涙)
やがてこの葉っぱは限界まで大きく育つと、だんだん枯れてきます。そして、この葉っぱが枯れてきたころに…また小さなワラビが生えてくるのです…。
これはシダの当たり前のサイクルなんですが、モフモフというだけでけなげさが増す!と思うんですがどうでしょうか!
芽をみつけたら、がんばれー!がんばれー!!って応援しちゃう
だからついつい、モフモフ系シダみつけるとゲットしたくなる欲が…
カツモウイノデのふくざつな事情
この「カツモウイノデ」日本で自生しており、千葉とかで山の方に出かけるとわりと見かける子なんだそうで、ちょっとマニアックな園芸店で出会えることがあり、手に入りやすい方だと思います。
実は、モフモフ系シダ界最強のアイドルがおりまして…その名も
「キンモウコウ」別名「タカワラビ」
カツモウイノデちゃん以上に根茎の毛がフワッフワしており、美しいブロンドヘアーなのであります。
中国、台湾、タイなどで手に入りやすい子なのですが、日本では沖縄以外で自生しておりません。なので高値のモフモフなのであります。
このキンモウコウ、学名は「Cibotium barometz」シボティウム・バロメッツといいます。
バロメッツというモンスターをみなさんご存知でしょうか。地面からニョキっと羊を生やす植物がいて、その羊の肉を食べるとウマイんだよという感じの話なんですが。それの元ネタになったのが「キンモウコウ」と言われております。根茎が羊と間違えるくらいフッワフワなんです。
ダンジョン系RPGとか、ぷよぷよやったことある人がきいたら
「あー!あの羊のモンスターね!」ってなるよね
見た目も不思議でかわいいから、お店に出ると飛ぶように売れるらしくて、なかなか手に入りにくいんだよ!
大人気アイドル「キンモウコウ」は高値で売れるため、モフモフが似ていて手に入りやすい「カツモウイノデ」とすり替えられて販売されていることがあります。
プロでもまちがえるくらい幼いときは似ているらしく、ボ谷の「カツモウイノデ」は信頼してる園芸店で購入したのですが、「タカワラビ」という名前で販売していました。
でも、私たちの育てている子は特ちょうから考えるとどう考えても「カツモウイノデ」なのです。
「タカワラビ」というなまえで買ったから、「カツモウイノデ」だと知ったときは正直ショックだったし、だまされたみたいでかなしかったよ
でも、育てているうちに、そのけなげさとモフモフ加減にいやされてすっかりファンになっておりますが。
くやしい思いをされる人が減るように「カツモウイノデの特徴」をまとめておきます!
- 茶色い毛をしている
- オシダ科なので、ワラビが輪をえがくようにたくさん生える
- 毛が短くてちょっとかため
- 茎が剛毛(イノシシのイメージ!)
あとは、沖縄以外にも日本で自生しているってところがポイントだよね!
いつか自然の中で育つカツモウイノデちゃんをながめたいな!
調べたところ近畿では絶滅危惧種Cランクだそうです。千葉県でもBランク…。
シダを好んで食べないはずの鹿が食べちゃうんだそうです。特別おいしいのか…そうか…。
千葉県の保護上重要な野生生物-千葉県レッドデータブック-
植物・菌類編
https://www.bdcchiba.jp/wp-content/uploads/2023/07/%E5%8D%83%E8%91%89RDB%E4%B8%80%E6%8B%AC.pdf
植物園でもあんまり見かけないから、自然に育つ姿が想像しにくいよねぇ
そう、カツモウイノデちゃんはいろいろトラブルに巻き込まれているけど、日本では少しずつ消えている貴重な子なのです。
存在までけなげだったか…
大事に育ててあげようね
こういう自然では絶滅を心配されつつある子が園芸店でならんでいる姿は、ちょっとふしぎでかなしい光景だとは思いますが、人間の手にわたってしまった子たちは、せめて人間で守ってあげたいと思います。
カツモウイノデちゃんかわいいね!
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